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日本産科婦人科学会 若い健康な女性が将来の妊娠・出産に備えた卵子の凍結保存を「推奨しない」 賛否?

健康・疾病 医学 社会・生活

日本産科婦人科学会の専門委員会は25日までに、若い健康な女性が将来の妊娠・出産に備えた卵子の凍結保存を「推奨しない」とする見解をまとめた。女性の健康へのリスクや妊娠率が高くないことなどを問題視した。


 若い女性の卵子凍結保存を容認した日本生殖医学会や、卵子凍結を支援する費用を予算案に計上した千葉県浦安市に対立する見解となる。医学的理由によらない卵子凍結の是非があらためて問われそうだ。


 国内の多くの産婦人科医や研究者が所属する日本産科婦人科学会で卵子凍結に関する方針を決める生殖・内分泌委員会がまとめた。28日の理事会に報告、所属医師に通知される。


 見解では、凍結した未受精卵(卵子)は凍結受精卵と比べて妊娠率が低いこと、卵巣を刺激する排卵誘発剤は体に負担がかかること、解凍後に受精卵を戻す際の高齢出産に伴う合併症などを指摘。生まれる子どもの健康に与える影響も不透明だとし、年齢を問わず推奨しないとした。


 委員の一人は「出産の先送りにつながる。自治体も意をくんでほしい」と、浦安市の動きをけん制した。


 一方で見解は、卵子の凍結保存を禁じるものではなく、希望する女性と医師には自己責任で行うよう求めている。同学会は昨年4月、薬を使うがん治療や放射線療法で卵巣機能が失われて妊娠が困難になる場合に、事前に凍結保存することを認めた。


 卵子の凍結保存技術が進展し卵子の老化が知られるに伴い、生殖医療技術を専門にする医師らでつくる日本生殖医学会は2013年、健康な女性も含め、卵子の凍結保存を容認する指針をまとめていた。

 

 

 

★卵子凍結保存(らんしとうけつほぞん、英語: oocyte cryopreservation / egg freezing)とは、体外受精を行い子宮に戻す目的で、未受精卵を凍結保存する技術のこと。


概要
従来は、若年女性がん患者が化学療法や放射線療法を受ける前に卵子を体外に取り出すことによって、治療による生殖細胞への影響を回避する方法として試みられるものであったが、近年パートナーがいない女性が将来の妊娠に備えて自分の卵子を凍結保存する事例が増えている。採卵した卵子はマイナス196℃で凍結保存され、妊娠が可能・希望する時期に解凍・体外受精を行い、子宮に戻される。

ただ、体外受精での出産率は30代から低下を始め、36歳ごろから加速し、36歳で16.8%、40歳で8.1%、42歳で5%、45歳だと1%以下と年齢によって低下していくため、卵子の凍結は年齢により低下する妊孕力を完全に保つものではない。卵子だけでなく、子宮や血管の老化も妊孕力に影響を与えるためである。実際、ニューヨーク・タイムズの報道では、2014年時点で入手できる中で最も包括的なデータでは、最新の瞬間冷凍プロセスを使った場合、新生児出生の失敗率は30歳女性で77%、40歳女性で91%であり、2011年の1年間で38歳以上の女性が冷凍卵子で出産した新生児は世界全体でも推定10人程度となっている。

2016年2月2日、日本国内で初とみられる健康女性が凍結保存していた卵子を体外受精し、女児を出産したケースが報告された。女性は44才の看護師で独身時代の41才の時に卵子を8個凍結し、その後42才で結婚、2015年5月に女児を出産した。

医学界の反応
2004年10月、日本癌治療学会、日本産科婦人科学会、日本泌尿器科学会の3団体が「癌患者さんの妊娠できる能力を残すために卵子凍結は施行されるべきである」と発表。

2013年11月15日、日本生殖医学会は神戸市で総会を開き、健康な未婚女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存しておくことを認めるガイドラインを正式決定した。卵子の凍結はがんの治療などで機能が失われるのを避けるために保存するのが本来の目的だが、指針ではこうした医学的理由のほか、成人女性が加齢などで妊娠が難しくなる可能性を懸念する場合の卵子凍結も、年齢など一定のルールを設けることで無秩序に広がるのを防ぐ目的で認めた。

既婚、未婚を問わず、40歳以上での卵子の採取と、凍結卵子を使った45歳以上での妊娠を推奨しない
卵子の凍結保存と妊娠・出産の先送りを推奨するものではない

凍結した卵子は、本人が希望した場合や死亡した際には直ちに破棄し、妊娠可能年齢を過ぎた場合も通知した上で破棄できる
などがガイドラインで上がっている。 ただ、上述のガイドラインでも示している通り、社会的要因による卵子凍結は推奨されるものではなく、「リスクを最小にすることを考えるなら妊娠適齢期は20~34歳」であり、性教育については「こうした全ての正しい事実を教えることが必要」というものが医学的なスタンスである。

2015年2月8日、日本産科婦人科学会の倫理委員会は「健康な女性を対象とする卵子凍結保存は推奨しない」との見解を示している。
2016年2月2日、日本産科婦人科学会の苛原稔常務理事は、日本で初とみられる健康女性の凍結卵子を使用した出産事例に対し「凍結しても、本人の加齢による妊娠率の低下やリスクもある。医療機関としっかり話し合い、よく考えてほしい」とのコメントを出した。


日本の状況
2015年2月5日、順天堂大浦安病院と浦安市が、加齢による不妊を避ける目的で健康な女性が自分の卵子を凍結保存する「プリンセス・バンク」構想を進め、浦安市は少子化対策の一環として市民を対象に凍結保存費用を助成することなどを計画していることが報道された。
構想では、将来の出産に備えたい20歳から35歳ぐらいまでの健康な女性の卵子を凍結保存する予定。これに対し、上述の通り、日産婦は推奨しない方針を示している。

世界の状況
凍結卵子を用いた世界初の出産例は1986年、オーストラリアのクリストファー・チャンにより報告された。

中国系ニュースサイト「東北網」が2014年7月23日、韓国人の間で晩婚化に伴い、妊娠したくなった時に使えるよう、卵子を冷凍保存する独身女性が増えているとの報道をしている。

アメリカでは、2012年のデータでニューヨーク大学病院の生殖医療センターで卵子を凍結した依頼者のうち約8割は医学的理由なしに凍結を希望する人々で、平均年齢は38歳であった。

2014年1月、Facebookが女性社員による卵子の冷凍保存に対して最大2万ドルまで資金援助する福利厚生策を導入、アップルも2015年1月から導入。

報道された出産事例
2014年12月6日、2001年高校2年生の時に悪性リンパ腫にかかり、治療に抗がん剤の投与が必要だった女性が、抗がん剤の投与で卵子がつくられなくなる可能性があるため卵子を凍結、2014年8月30才の時に解凍した卵子を使って出産した事例が報道された。

卵子を10年以上凍結保存して出産したケースは日本国内では非常に珍しいとされる。
女性と交流があるNPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の大谷貴子によると女性は「子どもが生まれてとても毎日が幸せです。血液疾患の患者さん全てが希望を持ち、治療に励んでほしい」と話しているという。

日本生殖医学会常任理事の教授は、「がん治療をするために卵子を凍結保存する全ての患者がうまく出産に至るわけではなく、過剰な期待を抱くわけにはいかないが、救われた人がいたことはとても意義がある。(健康な女性の場合も含め)安全性の評価は定まっていない。卵子を採取しておけば出産できるという保証があるわけではない。」とコメントしている。
2016年2月2日、日本国内で初とみられる健康女性が凍結保存していた卵子を体外受精し、女児を出産したケースが報告された。