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近年「酸蝕歯」が増加 対策として食後に水やお茶、ガムなどが有効

ライフ・スタイル 健康・疾病 医学 社会・生活

虫歯の原因は口内の虫歯菌が原因だが、最近はスポーツドリンクやレモンなど飲食物に含まれる酸で歯が溶けてしまう酸蝕歯(さんしょくし)になる人が増えているという。歯が黄ばんだり、欠けたりするだけでなく、知覚過敏も引き起こす。専門家は「酸性度の強い飲食物の摂取に注意して」と話している。

  ◆広範囲に溶ける

  「酸蝕歯は虫歯や歯周病に次ぐ、第3の口内の疾患として最近、注目されています」。

  虫歯は虫歯菌の出す酸が原因で歯が溶けてしまう疾患だ。歯の溝や歯と歯の間など汚れのたまりやすい場所で局所的に起こりやすい。一方、飲食物の酸が原因で歯が溶けるのが酸蝕歯。酸性度の高い飲食物を食べたり、飲んだりすると口の中全体に広がるため、広範囲で起こるのが特徴だ。

  歯の表面はエナメル質でできており、その内側に象牙質がある。酸の影響でエナメル質が溶けると、歯が欠けてしまうこともある。さらに象牙質が露出すると歯が黄ばんでみえ、冷たいものなどがしみる知覚過敏につながる。

  ◆4人に1人が…

  酸蝕歯の原因になる酸性度の高い飲食物は、酸っぱいものに限らないので注意が必要だ。

  酸性・アルカリ性を示すpH(ペーハー)値は、数値が低いほど酸性度が強い。虫歯の場合は、口腔内のpHが5・5以下になると歯が溶けはじめる。酸蝕歯で歯が溶けはじめる値はまだ詳しく分かっていないが、虫歯の値を参照し、pH5・5以下の飲食物は酸蝕歯になるリスクを高める傾向がある。

 コーラやミカン、スポーツドリンクなどの酸性度が高かった。「ドレッシングや栄養ドリンクなども酸性度が強い傾向にある」と言われている。

 

  健康ブームでお酢を飲む人が増えているが、酸蝕歯の原因になるリスクがある。

  ダイエットのために毎日コップ2杯の黒酢を原液で飲んでいた女性は、酸が原因で前歯の象牙質が露出してしまった。ミカンを毎日、食べていた人が酸蝕歯になった例もあったという。

  和食に比べ、酸性度の比較的高い欧米の食文化が普及したり、スポーツドリンクなどのペットボトルを持ち歩く人が増えたりしたことに伴い、近年、酸蝕歯は増加傾向にある。平成25年、10~80代の男女1108人を対象に実施した調査では、4人に1人が酸蝕歯だった。

  ◆唾液や水、お茶で

  酸蝕歯を予防するには、歯を長時間、酸にさらさないことが大切だ。酸性度の高い飲食物をだらだら飲んだり食べたりするのはやめた方がいい。飲み物を飲む際、ストローを使うと歯への接触を少なくすることができ、予防につながる。

  また、唾液は酸を洗い流したり、中和する作用があるほか、含まれるミネラル成分がエナメル質を補修する。「食後にガムをかんで、唾液を出すようにするのも予防策になります」と言われる。

酸性の飲食物をとった後に、水やお茶などを飲むのも有効だ。

  虫歯の予防には歯磨きが有効だが、酸蝕歯と診断されたり、疑いがあったりする場合は、酸性度の高いものを摂取してから30分~1時間空けて磨くようにする。食後は食品などに含まれる酸の影響でエナメル質が軟らかくなっているため、歯磨きをすると歯が削れてしまうからだ。

  「酸蝕歯は虫歯のない、きれいな口の中でも発症する。原因となる飲食物を把握し、しっかりと予防してほしい」と。